研究概要 |
二年間の研究計画のうち初年度である今年度は,まず,調査において用いられる各尺度の吟味を行った。さらに,調査冊子に用いる尺度の中でも中心となるストレッサ尺度の信頼性や妥当性を論じた部分について,論文としての公表をめざした(現在印刷中)。次に研究を展開するために,論文に記載された尺度や他研究者によってすでに翻訳と標準化が行われている尺度を含む中学校教師を対象とした新たな調査冊子の配布および回収がすすめられた。大量のデータを必要とする性質の研究でありながら,データの収集が難しいとされる教師を対象とする調査を行うために,学校長への紹介を依頼できる教育センターなどの機関に関わる研究協力者との連絡や確認,紹介をうけた各校の学校長をはじめとする管理職に対する調査の趣旨の説明と意見交換を長期にわたって丁寧に行った。その結果,今年度は富山県,新潟県,高知県,茨城県といった複数県にわたる公立中学校の協力を得ることができた。現在も調査冊子の返送が継続しているが,現時点で公立中学教師400人程度のデータが収集され,データの収集が難しいとされる調査対象であるにもかかわらず6割程度の回収率が見込まれている。回収されたデータの入力作業がすすめられ,基礎統計量の算出や結果の分析方法の検討がすすめられている。
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