研究概要 |
本年度は高次認知機能の働きを制限する方法についての昨年度に引き続き,基礎的な研究を行うとともに,そこから得られた知見をもとに,幼児における心の理論課題の成績と高次認知機能(実行機能関連)の関連について,実験計画を刺激・手続き等を含めて立案した. 1.前頭葉機能とワーキングメモリーの関連1 昨年度,前頭葉機能とワーキングメモリーの関連について,ウィスコンシンカード分類テスト(WCST)を用いた実験を行ったが,その追加実験を行った.昨年度の注意の個人差がWCSTの成績に影響するという結果がより明確になった. 2.前頭葉機能とワーキングメモリーの関連2 前頭葉機能とワーキングメモリーの関連について,ストループ課題を用いた実験を行った.その結果,個人差(認知的熟慮性)と二重課題の関連が見られた. 3.無関連言語音効果と認知機能1 無関連言語音効果と注意の個人差の関連を高次認知課題(文章再認課題)に関して検討した.しかし,無関連言語音効果および注意の個人差との関連は見られなかった. 4.無関連言語音効果と認知機能2 無関連言語音効果と注意の個人差の関連を検討するため,ストループ課題を用いた実験を行った.本実験に関しては,来年度,被験者を追加した後に分析を行う予定である. 5.幼児における心の理論課題の成績と高次認知機能(実行機能関連)の関連について 心の理論課題および実行機能課題の関連を検討するための実験計画を立案した(来年度初頭実施予定).
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