研究概要 |
本年度は1年目の成果に基づき,改良・実践を積み重ねた。第一報となる論文が「シミュレーション&ゲーミング」に掲載され(杉浦,2003),さらにこの論文に対するコメントへのリプライの中でフレームゲームとしての発展可能性について論じた。教育実践としては,愛知教育大学,埼玉大学,愛知淑徳大学等で代表者が担当する授業において,様々なバリエーションの教育ゲームとして実施・評価を重ねた。さらに社会的活動として,名古屋市昭和区でのボランティアによるグリーンコンシューマーガイド作成活動の学習会で実施・評価を行った。また,杉浦(2003)で提案した発展課題の一つである行政職員のコミュニケーション教育について,神奈川県川崎市での職員研修において,行政と市民のコミュニケーション場面を誰定し,ゲームを実施してデータを収集した。研究発表としては,第34回国際シミュレーション&ゲーミング学会大会にて,説得納得ゲームのフレームゲームの可能性および環境教育ツールとしての有効性について発表を行った。また研究者に対する本ゲームの実演として,日本社会心理学会第44回大会において,「説得的コミュニケーションを取り入れた参加型授業の開発と実践」として小講演を行い,参加者に紹介した。また,日本シミュレーション&ゲーミング学会2003年秋季全国大会において,説得納得ゲームの消費者教育への応用として,「ゲーミングの大学教育への応用:説得納得ゲームを事例として」と題し,実演を行った。以上の実践および発表の活動を通して,説得納得ゲームが1)様々な条件下のもとでの種々バリエーションの実施可能性であること,2)説得納得ゲームにおいて説得者と被説得者の2つの役割を交換することが教育効果を高めること,3)環境関連のコミュニケーションの問題の他領域の問題へ転用可能であること,について明らかにした。(780字)
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