研究概要 |
1,がん医療におけるインフォームド・コンセントへの患者の関与について 約半数が最初に家族のみに病状や治療について概要を説明し、患者への直接的な説明の同意を得てからインフォームド・コンセントを行った。家族の希望によっては説明内容の一部を伝えなかったり、内容を抽象化するなどの工夫を行った。 インフォームド・コンセント場面での患者の発言は家族よりも少なく、医師の説明を聞き理解することが中心的な姿勢であった。 2,インフォームド・コンセント場面における医師の患者への配慮について 医師は患者の意思を理解したい希望があり、患者の意向を尊重したい旨を患者に直接伝えている。しかし、半分以上の場面で、治療の選択肢を提示されることが無く、その場合は医師の言うとおりに応じる度合いを評価することがみられた。 3,インフォームド・コンセント場面における患者の情報認知について 治療によって期待できる治癒の可能性についての理解は客観性が高いが、治療することあるいはしないことによる危険性や合併症・副作用にっいては記憶に残らない傾向がうかがえた。また、患者の多くが病状や治療の理解にたいして自信がなく、最初から医師に最終的な決定を委任したい希望を示していた。 4,インフォームド・コンセント場面における患者の情報理解の程度に関する主治医の認識 医師は、インフォームド・コンセント後の患者の理解内容に興味をもっており、治療の副作用や合併症、治癒の可能性についての患者の理解度を高く評価していた。
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