本年度は第1に、本補助金により昨年度実施した数本の質問紙調査および聞き取り調査のうち昨年度分析できなかった部分に関して再分析及び資料の整理をすすめた。具体的には生涯学習活動の一環としての観光行動、スポーツ観戦などの研究フィールドにおける余暇診断の妥当性検討、茨城県内の72年廻の金砂磯出大祭礼調査をフィールドとした祝祭概念の検討、各種余暇活動に関する質問紙調査、余暇・レジャー・レクリエーション・フィットネス教育関係のアジア・アメリカ・オーストラリア・ヨーロッパほかの諸国の研究者からすでに受けたレビューに基づき、余暇診断の再検討を行った。 本年度は第2に余暇診断・改良版作成のための新たな調査を実施した。すなわち余暇活動の行われている様々な場所、たとえば趣味のサークルに参加する方々や、試合に参加あるいは観戦あるいはスタッフとして働くために会場にいらっしやる方々、また余暇関連事業の企画・手配・実施等に関わる方々のもとなどに出向き、半構造化された聞き取り調査、および参与観察調査を行った。また余暇・レジャー・レクリエーション・フィットネス・余暇環境・社会的環境・生涯学習・健康心理学関係の国内の研究者および現場に携わる方々と討論の場を持ち本研究に関するレビューをうけた。 これらの調査により、若い世代、年配の世代、男性、女性、都市・農村の地域差等、様々な特徴を持つ層の方々に対して有効と思われる余暇診断の概念、構成および尺度項目および反応選択肢のさらに詳細な検討をおこなうことができた。
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