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2002 年度 実績報告書

探索型臨床研究における医療倫理の確立と心理的介入方法の体系化の検討-トランスレーショナル・リサーチ・コーディネーターとしてのサイコロジスト体制の確立-

研究課題

研究課題/領域番号 14710092
研究機関文教大学

研究代表者

大木 桃代  文教大学, 人間科学部, 助教授 (10306269)

キーワードトランスレーショナル・リサーチ・コーディネーター / 探索型臨床研究 / 医療倫理 / サイコロジスト / 臨床心理士 / インフォームド・コンセント
研究概要

平成14年度は以下の2点を目的とした。
1.がんを対象とした探索型臨床研究開始前と開始後の被験者(患者)心理の分析
2.被験者に対するサイコロジスト(臨床心理士)の対応と効果の検討
対象:平成14年度に東京大学医科学研究所附属病院において実施された5つの探索型臨床研究のいずれかに参加した被験者中18名であった。
手続き:各被験者が臨床研究に参加中、週1回または2回の面接を行った。18名中10名からはPOMSやSCIなどの心理検査の協力も得た。それをもとに被験者の精神状態を把握し、時系列的に傾向を検討した。また週1回開催される会議において、医師や他のトランスレーショナル・リサーチ・コーディネーターメンバーに対応を指示した。
結果と考察:探索型臨床研究の経過に伴う被験者の心理的変化は以下の通りである。また各場面において、臨床心理士が介入した。
1.前医による情報提示:対象者はいずれも前医から末期の告知を受け、皆大きく落胆した。その後、今回参加した探索型臨床研究に関する情報を提示され、この研究に賭けるという感情を生じた人が多かった。
2.東大医科研病院における説明:同院においてはIC取得以前および取得時に、責任医師から本研究は医療行為としての効果は不明であるとの説明を何度も受けた。被験者はこれらの説明について冷静に理解したが、同時に効果に対する過剰期待が見られることも多かった。
3.臨床研究開始後:開始後1クールは効果が見られなくても期待が持続した。その後効果が見られた時には、将来への希望を感じ、自己評価も上昇した。しかし効果が見られない場合は、抑うつ的な感情が増加してきた人もいた。
4.臨床研究中止後:中止の際には落胆するが、その他に生ずる感情には、大きく分けて3つのパターンがあった。自分の選択の結果として納得する場合、他の治療法に賭けて転院する場合、抑うつ的な感情を抱き続ける場合であった。

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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