本研究に関連する先行研究及び関連資料の収集を行った。主に、米国におけるインクルージョン教育場面における協同学習のプログラム内容に関する資料の収集を行った。 また、学習障害児の在籍している通常学級や情緒障害・言語障害通級指導教室、知的障害・情緒障害特殊学級における集団指導に関する情報を収集し、学習障害児支援プログラムを学校場面で実際に適用する場合の配慮点について探った。 また、通常学級において協同学習の要素を取り入れた授業を行っている学級の授業を見学し、担任へのインタビューから、現場で実施しやすい協同学習や配慮点について探った。 また、小学校4年生の男子と小学校6年生の女子を対象に、ペア単位の協同学習による指導を行い、データを収集した。協同学習課題として、算数の計算問題と漢字の書き取り問題を用意した。 指導結果の詳細な分析は来年度行う予定である。なお、現在のところ、それぞれの対象児の学習障害の認知特性によって、課題を選択する必要があるが、教師が手頃に実施できる方略の確立や課題リストを作成することが今後の課題として明らかになった。 加えて、教室場面で必要となる社会的スキルのリストのうち、特に学習場面で必要となるスキルについてまとめることが今後の課題である。そのことが明らかになることによって、協同学習プログラムに組み込むべき指導内容をどのようなカリキュラムにより構成すればよいかの示唆が得られるだろう。
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