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2004 年度 実績報告書

ヨーロッパ統合とグローバリゼーションをめぐる社会運動に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 14710121
研究機関茨城大学

研究代表者

稲葉 奈々子  茨城大学, 人文学部, 助教授 (40302335)

キーワードグローバル化 / 社会運動 / ヨーロッパ / 都市下層 / 移民 / 反グローバリズム
研究概要

2004年9月にフランス・パリ市において、昨年度に引き続き、「もうひとつのグローバル化」を求める運動を構成する社会運動団体の担い手および、運動の中心的メンバーだけではなく、ホームレスや失業の当事者であり、運動に参加することで、住宅や職業を得ることを目的とする個人12人に対し、質的な聞き取り調査を行った。
また、参与観察を行っていた「住宅への権利運動」が、西ヨーロッパとラテンアメリカ、アジアの運動団体と2003年以降形成している「持たざる者NO-VOX」のネットワークが、どのように国境を越えて形成・拡大しているかについて、参与観察の継続および聞き取り調査を行った。
さらに運動団体が発行するニューズレターや映像資料の収集、および関連するフランスで発行された文献の収集を行った。
国境を越える社会運動について、本調査で明らかになったのは、ミドルクラスが担い手である「グローバル市民社会」から排除される層が形成する社会運動が拡大しつつあり、排除社会という権力関係によって読み解くべき状況が生じつつある。
新しい社会運動論が、社会運動の担い手を「未来を予言する人々」として位置づけるが、そうした概念から論じるなら、脱産業社会に特徴的とされてきた支配関係では理解できない異議申し立てが現れており、本研究では暫定的ながら、排除社会の誕生という仮説を立てるにいたった。
調査の成果は、日本社会学会で発表した。またすでに研究論文としても発表している。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2005 2004

すべて 雑誌論文 (7件)

  • [雑誌論文] グローバル化と経済格差、移住労働女性化と人身売買2005

    • 著者名/発表者名
      稲葉奈々子
    • 雑誌名

      女たちの21世紀 No.41

      ページ: 6-11

  • [雑誌論文] グローバル化と社会運動2004

    • 著者名/発表者名
      樋口直人, 稲葉奈々子
    • 雑誌名

      社会運動という公共空間:理論と方法のフロンティア(曾良中清司, 長谷川公一, 町村敬志, 樋口直人編)(成文堂)

      ページ: 190-229

  • [雑誌論文] フランスにおける都市底辺層の行き抜き戦略、『対抗』:労働市場からの離脱2004

    • 著者名/発表者名
      稲葉奈々子
    • 雑誌名

      差異化する正義(仲正昌樹編)(御茶の水書房)

      ページ: 241-259

  • [雑誌論文] グローバル化と社会運動2004

    • 著者名/発表者名
      稲葉奈々子
    • 雑誌名

      社会運動研究入門(帯刀治, 北川隆吉編)(文化書房博文社)

      ページ: 198-22

  • [雑誌論文] <持たざる者>の運動と自己表象のアート2004

    • 著者名/発表者名
      稲葉奈々子
    • 雑誌名

      フランスとその<外部>(工藤庸子, 石井洋二郎編)(東京大学出版会)

      ページ: 127-146

  • [雑誌論文] 排除社会と社会運動:80年代以降のトゥレーヌ学派を中心に2004

    • 著者名/発表者名
      稲葉奈々子
    • 雑誌名

      社会学研究 第76号

      ページ: 75-98

  • [雑誌論文] パリのスクオッターにおけるエスニックな紐帯の切断と再生2004

    • 著者名/発表者名
      稲葉奈々子
    • 雑誌名

      アジア太平洋レビュー 第1号

      ページ: 55-63

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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