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2004 年度 実績報告書

不平等構造と民主制度の関連性についての計量社会学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 14710138
研究機関奈良大学

研究代表者

高田 洋  奈良大学, 社会学部, 講師 (30325998)

キーワード民主主義 / 不平等 / 計量分析
研究概要

不平等と民主化の問題は、古くて新しい問題である。民主主義の実現は必ずしも平等の実現に結びつかないにもかかわらず、民主化は平等と混同されてあらゆる場面で便宜的に用いられている。本年度は、高校生相手に大学の授業をするという経験をしたが、その中でも多くの学生が平等と民主主義を同一であるかのようにとらえていた。本年度は、方法としての民主主義と平等との関係を引き続き分析し、次のような実績を得た。
(1)計量分析方法について
時系列分析の手法であるARIMAモデルについて、引き続き研究を行った。特に、時系列データに対し被説明変数と説明変数を特定する伝達関数モデルについて、研究を行った。
(2)民主主義の社会学的研究
経済発展の水準が高い国は、民主主義の水準も高く、経済発展の水準が低い国は、民主主義の水準も低い。産油国は例外である。ただのお金ではなく、工業化などが伴った経済的発展が民主化には必要である。
分析の結果は、経済発展の水準は民主主義の程度を強く規定するということを示した。この関係は、どの年代をとっても強い関係があり、民主主義の水準は経済発展によって高く説明される。
経済的な発展を伴わない民主化は、安定しない傾向がある。ナイジェリアやスーダンなどが典型的な例である。これらの国は、軍事政権と民主主義政権をいったりきたりしている。経済発展の水準がまだ低いので安定した民主主義にならないのである。また、産油国も経済の仕組みが変わらないうちは、民主主義が安定しない傾向がある。最近のイラクなどもその例かもしれない。経済的な基盤の構築こそが求められる。

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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