1 先行研究の整理と考察:韓国国立国会図書館、韓国保健社会研究院等の施設で『韓国社会福祉学』『韓国社会学』『社会福祉政策』『社会政策研究』『状況と福祉』『社会福祉行政研究』等の学術雑誌から韓国の福祉国家化に関与した主体について分析した論文を検索、コピー、整理し、韓国での先行研究について整理した。どうじに代表的主体としての大統領に関する資料として伝記、演説論文集などを購入した。また、福祉国家研究に関する文献を収集し、欧米および東アジアの福祉国家の比較分析についての研究動向を把握した。 2 制度、政策の把握と検討:韓国の福祉国家化の具体的事例として、近年の金大中政権における社会保障制度改革の状況を白書や各種一次、二次資料を用いて把握し、その内容について検討した。その成果は「各国福祉の現状:大韓民国」(『世界の社会福祉年鑑2002』旬報杜)、「諸外国の社会保障の現状と動向:大韓民国」(『社会保障年鑑2002年版』東洋経済新報社)にまとめた。また、それに関連する文献を収集し、論者の視点や批判点、分析の視角などについて考察した。その成果として「韓国の福祉国家形成戦略-金大中政権における『生産的福祉』と改革主体-」(『東アジア諸国の福祉システム-グローバル経済の中の福祉国家形成戦略-』東大社研リサーチシリーズ)が刊行される予定である。 3 分析方法に関する研究:「内務省史研究会」「社会保障研究会」「韓国社会福祉学会」「韓国政治学会」等の研究会・学会に参加し、歴史社会学的な分析方法に関する知識を深めた。とくに韓国の社会保障、社会福祉についての歴史社会学的な分析方法については「韓国社会保障研究会」「現代韓国朝鮮学会」において議論を重ねている。「現代韓国朝鮮学会第3回大会」ではシンポジウムに参加し、「韓国学の可能性-社会福祉研究の立場から」というテーマで報告を行った。
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