研究概要 |
本研究では、専門職者に対して高齢者の福祉用具の利用に関する評価をフィードバックすることを想定しつつ、利用者側から生活の中における福祉用具の利用効果をより幅広く反映するような評価票を作成することを1つの目的としている。 本年度は、このような福祉用具に対する評価票の作成に向けて資料収集を行い、介護保険制度導入後の福祉用具支援システム及び関連領域におけるこれまでの諸外国における研究動向を整理した。加えて、地域在住の高齢者で、介護保険において要支援又は要介護の認定を受けた者を主に担当している介護支援専門員を対象とした聞き取り調査を行い、介護保険制度下における福祉用具の利用状況とその問題点などを把握した。 上述のような予備的調査で得られた結果をもとにしつつ、本年度は利用者側から福祉用具の利用効果を幅広く反映できるような調査票案の作成を行った。具体的には、高齢者の基本属性(性別、年齢、職業、居住形態、ADL・IADL状況、痴呆症状、既往歴等)、福祉用具に関する項目(福祉用具の利用の有無、利用している福祉用具の種類、各種の福祉用具に関する知識の有無)、高齢者の福祉用具の利用に対する態度尺度(de Klerk & Huijsman, 1995による)、福祉用具の利用による心理的な影響に関する項目(PIADS尺度を用いて測定)、期待・知覚・態度・価値観に影響される福祉機器の評価(QUEST2.0尺度を用いて測定)、家族に関する項目(家族構成、年齢、続柄、介護負担感、福祉用具に対する意向等)などの項目を調査票に含めることとした。
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