青少年犯罪の日米比較:制裁に対する意識レベルと自己統制力が持つ抑止効果の研究

2002 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 14710153
• 研究機関: 名古屋商科大学
• 研究代表者: 小林 恵美子 名古屋商科大学, 外国語学部, 助教授 (60319241)
• キーワード: 青少年犯罪 / 日米比較 / Self Control / Social Bond / Strain / Differential Association

研究概要

現在私が進めております、高レベルで社会的意義が大きい、かつ大規模な研究の途中結果報告をここに記します。
まず、平成14年4月より7月にかけて、国立国会図書館等を利用し、青少年犯罪に関する日本語文献の収集、整理、解読、考察を行い、8月には夏期休暇を利用して渡米。オクラホマ大学図書館において英語文献を収集、購読を行いました。更に、"Self-Control Scale"を開発した社会学部Harold Grasmick教授に専門知識の提供や助言を受けました。帰国後は、収集した資料を基に日本語版アンケート質問項目と英語版アンケート質問項目の構築に取り組み、薬物使用や窃盗等の法律違反行為や、大学内でのカンニングや無断欠席等の校則違反行為を多数作成しました。又、犯罪学の支柱である"Social Bond Theory"や"Strain Theory""Differential Association Theory""Self-Control Theory"を実証する項目も作成。10月には、アンケート調査実施の実現に向け、関係者に協力を仰ぎながら被験者の確保に錯綜しました。11月初旬には、アンケート用紙の第一次草案を完成させ、12月初旬に日本人大学生とアメリカ人大学生を対象に事前調査(PRE-TEST)を実施し、12月後半には再び渡米。PRE-TESTで得た結果を基に質問項目の修正を行いつつ、犯罪学者Charles Tittle教授の助言も受け、まだ実証されていない新しい項目も取り入れました。平成15年1月から3月にかけては、コードブックの作成、そして日本語の質問項目と英語の質問項目の最終調整を行いました。更には、挨拶文を兼ねる見出しのページも完成させました。4月中旬からは、アメリカ人州立大学1年生450人と日本人国立大学2年生450人を対象にアンケート調査を実施。5月初旬までには全てのデータを収集する予定です。

研究成果

• [文献書誌] Grasmick, Harold., Kobayashi, Emiko.: "Workplace deviance in Japan : Applying an extended model of deterrence"Deviant Behavior. 23. 21-43 (2002)
• [文献書誌] Grasmick, Harold., Kobayashi, Emiko.: "Gender and noncompliance with workplace rules in Japan : The contributions of managerial sanctions, embarrassment, and shame"NUCB Journal of Economics and Information Science. 46. 75-87 (2002)
• [文献書誌] Kobayashi, Emiko., Grasmick, Harold., Friedrich, Gustav.: "A cross-cultural study of shame, embarrassment, and managerial sanctions as deterrents to noncompliance with organizational rules"Communication Research Reports. 18. 105-117 (2001)
• [文献書誌] Kobayashi, Emiko., Grasmick, Harold.: "Workers' decisions to comply : A comparison of the perceived threats of managerial sanctions, embarrassment and shame in Japan and the United States"NUCB Journal of Language, Culture, and Communication. 4. 1-12 (2002)
• [文献書誌] Kobayashi, Emiko., Grasmick, Harold.: "Punishment for noncompliance and reward for compliance : A comparison of Japanese and American workers"NUCB Journal of Economics and Information Science. 47. 125-136 (2003)