本研究では、高齢者が虐待への対応力の向上と予防をめざし、介護福祉士・社会福祉士養成の実習指導における高齢者虐待についてのスーパービジョンとアドボカシースキルの獲得のためグループワークプログラムの開発を行った。 〔本年度(3年度目)の研究実施計画〕 1 文献調査と資料収集:本テーマに関する内外の資料を取り組みが進む欧米を中心に国内において収集した。 2 高齢者虐待に関する意識調査とその分析:介護福祉士・社会福祉士養成在学中の学生に実施した意識調査を分析し、その一部を学会で口頭発表を行った。(第12回日本介護福祉学会大会「高齢者虐待・不適切処遇に関する意識と介護福祉士を中心とした福祉専門職養成の教育課題」於:岩手県立大学2004年9月5日) 3 現場実習と対処傾向の分析:介護福祉士・社会福祉士養成在学中の学生の現場実習に関する評価と高齢者虐待状況に関する対処傾向について調査を行った。今後詳細な分析の作業を進めていく。 4 高齢者虐待のアドボカシー(権利擁護)スキルの獲得のためグループワークプログラムの開発および実施と評価とツールの開発:今年度は世田谷区とのコラボレーションとして、高齢者虐待対応マニュアルづくりのワークショップを研究代表者:山田祐子が企画・実施・評価を行った。その成果を(山田祐子編・世田谷区監修「高齢者虐待対応マニュアル」世田谷区2005年3月)として報告書を出し、その内容を世田谷区役所のホームページで全文ダウンロードができるようにし、誰でもが活用できるツールとした。今後はそこで提案したマイコミュニティマニュアル運動をさらに進めていく予定である。 そのほかの成果としては(日本社会福祉学会第52回全国大会「介護保険制度下の老親介護を行う被雇用労働者のための社会的支援と高齢者虐待に関する調査研究」於:東洋大学白山キャンパス高齢者保健福祉(7)2004年10月11日)がある。
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