平成14年度は、東京都内A市にある基幹型の在宅介誕支援センターに勤務するケアマネジャー4名に対して面接調査と業務の参与観察を行った。調査対象であるケアマネジャー4名に、各3ケース以上の選定(合計13ケース)を依頼し、そのケースにおけるケアプランに組み込まれた社会資源を手がかりに、その社会資源を利用者に対して活用した経過や要因について半構造面接を実施した。 その結果、ケアマネジャーが社会資源を活用するにあたっては、ケアマネジャーの経験から蓄積された社会資源のなかから、利用者のニーズに合わせて社会資源を選別することが明らかにされた。選別を行う要因としては、1.サービスの質がよいこと、2.サービスの質にばらつきがなく、常に同質のサービスが提供されること、3.多様な幅のサービスの選択が可能であること、4.待機時間が短く、申請後すぐに利用可能であること、5.利用者宅に比較的近いこと、6.サービス供給組織内にキパーソンが存在すること、7.費用が負担可能であり、かつその費用が妥当なものであること、8.利用者がサービスを試用するなど、使い勝手を確認することが可能であることが示された。 しかしながら、利用者のニーズを充たす社会資源が地域のなかに存在しない場合もある。そのような場合、ケアマネジャーは、1.既存の代替的な社会資源をケアプランに組み込む、2.自分の所属機関や関連機関に存在する社会資源を活用して、そのニーズをカバーする、3.自治体にサービスを予算化するように地域ケア会議などではたらきかける、4.サービス提供者にサービスの質についてフィードバックし改善を促す、といった戦略をとっていた。
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