研究概要 |
平成15年度は,イギリスにおける現地調査とその学会発表,及び来年度に向けた教材の作成を進めた。 平成14年度に引き続いて,イギリスにおいて特別な教育的ニーズ・コーディネーターへの面接をするとともに,特別な教育的ニーズ・コーディネーター及び教師を対象にして,国が定める役割と責任に対する意識,同僚教師への要望,及び研修への要望に関する調査を実施した。その結果,多くのコーディネーターの研修機会が不足していること,また,コーディネーターとしての学習内容に偏りのあること,日常業務における自らの役割についての意識に個人差があることなどが明らかとなった。この結果は,香港で行われた国際会議において報告した。教師を対象にした調査については,2005年の国際学会において報告するための手続きを終えたところである。 また,平成14年度の研究とあわせて,イギリスにおいて特別な教育的ニーズ・コーディネーターが成立するために必要な8要件を明確にした。この結果は,日本特別ニーズ教育学会編の書籍に所収された。 コーディネーターが機能する上で重要なインクルーシヴ・スクールの構築に関しては,デンマークの研究者との研究協議も行った。これは当初の研究計画にはなかったことであるが,来年度に継続させる。 さらに,日本での研修用の教材作成に着手し,コーディネーター養成のための基礎研修用の映像教材のダイジェスト版を試作した。この内容については,国内他大学の教官から助言を受けた。現在,映像教材の内容について,検討を重ねている。 (平成15年度中の研究成果報告実績:著書1,論文3,国際学会報告1,その他2)
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