1.タイにおける文献資料の収集・整理・分析 「2001年基礎教育カリキュラム」および教育の質の評価・保証制度に関連する資料を前年度に引き続き現地調査およびインターネットを通じて収集した。また、研究補助者を雇いあげ、分析に備えて整理した。さらに、成果発表のために分析を行った。 2.現地調査(タイ) 7月30日-8月15日に現地調査を行った。訪問先は、チュラロンコン大学教育学部、スコータイタマティラート大学教育学部、教育の質の評価・保証事務局、文部省(副大臣事務局、教育審議会事務局、高等教育委員会事務局、基礎教育委員会事務局)、バンコク都内基礎教育学校、ナレスエン大学教育学部、ピサヌローク県内基礎教育学校である。教育政策担当者および現地の教育学研究者に対するインタビュー調査および資料収集を行うとともに、学校レベルにおける実態を都市・地方都市・農村の典型的な学校をサンプリングして訪問調査した。当初、教員に対する質問紙調査を行う予定であったが、現地で慎重に検討した結果、大規模な教育改革が進行中であることから質問紙調査法は見合わせ、インタビュー調査を柱にすることとし、現地の状況によっては翌年度に実施することとした。 3.成果発表 教育の質の評価・保証制度の導入について、基礎教育段階に関して『九州教育学会研究紀要』第30巻に、高等教育段階に関して『東京商船大学研究報告』に論文を発表した。教員養成制度改革については『教職課程』に発表した。また、基礎教育カリキュラム改革に関連して「第4回アジア比較教育学会」(於:インドネシア教育大学)で研究発表を行った。文部省による教育イノベーションを通しての質の向上政策に関して九州教育学会第55回大会で研究発表をおこなった。さらに、「2001年基礎教育カリキュラム」の日本語訳を冊子にまとめて印刷した。
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