民族や環境の問題が、一国の文化に同化する形では困難となった現状を把握し、学生の意識改革に直結する授業改善に重点をおいた。課題研究の最終年度として、大学生のための適切な授業課題を完成させた。 また、授業開始当初と課題活用後の調査による変化から、今後の授業内における課題の検討とこれまでの成果の総括を進めた。具体的な実施内容は、以下のとおり。 1.14年度15年度の調査結果・現場事例を題材とした授業課題の作成 2.授業課題(科目「保育内容表現」および「基礎福祉演習」)の授業内実施 3.授業課題実施時(後)の状況と問題点の検討・新しいカリキュラムの再構築と可能性の検証 これにより、特に以下の点が明らかになった。 (1)授業課題作成は、視覚的な教材を使用し操業課題とすることで学生の授業満足度に効果的な傾向が明らかになった (2)視聴覚教材を長時間利用する際多文化的な状況に対して親しんでいない場合は随時教員がナビゲートしポイントを解説する必要があると考えられる (3)授業形態は、授業満足度と学生の課題分析結果を検討した結果、演習授業を多くの時間で取り入れる方法が望ましい (4)演習により体験的な保育演習や模擬保育を実施するので、その後の講義の理解度が確実に高まる結果となった (5)演習授業と講義は、どちらかではなく現状理解のためには双方を取り入れる必要性があると考えられる (6)演習形態と講義形態の双方を取り入れる場合、段階や手順、速度、回数などは、学生のレベルや履修時期によって対応が必要と思われる (7)授業内での実施にあたっては、科目の性格と十分照らし合わせた上での実施が必要 (8)授業の新たな保育観を生み出す可能性が大きいものに関して、さらなる工夫が必要 (9)大学生の意識には根強い固定観念があり、そのことを踏まえたうえで、より短時間に固定観念払拭にはたらきかけるような課題を作成する必要性が考察できた
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