アルカイック期初期のギリシアで形成されたと見られる叙事詩群、また抒情詩群について、古代エジプト語やヘブライ語などで記された作品群との相互比較を行うための基礎的作業を進める。古代ギリシア語原典については十分な設備があるので、今年度はそれ以外の原典資料の整備に努めた。ヘブライ語原典については「コヘレトの書」、古代エジプト語原典については「メンフィスの神学」、「ネフェルティの予言」、「プタハヘテプの教訓」について資料を整えた。 海外で行った調査は以下の3件である。 8月にはサモス島(ギリシア)の考古学博物館が所蔵している膨大な数のグリフォン頭像をデジタル画像で記録した。これは、研究計画において示した神話的・宗教的象徴としての怪物像の相互比較研究のために必要な作業である。 9月にサンクトペテルブルク(ロシア)のエルミタージュ博物館所蔵のパピルスの調査を行い重要なものについてはデジタル画像で詳細に記録した。これは、研究計画で使用予定のエジプト語原典資料の破損箇所などの状況を確認しておくために必要な作業である。 また、11月にはエジプトのカイロを中心に各種遺物の調査を行った。これは、研究計画において示した神話的・宗教的象徴としての怪物像の相互比較研究のために必要な作業である。
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