研究概要 |
出土資料の磨石・敲石・凹石・石皿を集成し、遺物の実見については四国及び近畿地方太平洋側については終了した。現在、瀬戸内地域について調査を継続している。平成14年度では、磨石・敲石・凹石・石皿の大まかな形態分類を設定することができた。磨石では、3種類,敲石・凹石では6種類,石皿は3種類であり,さらに細分できる見通しを持っている。また,この研究では,石質への視点として,石材の特定の他,比重,粒度についても調査している。これは先に述べた形態ごとに偏りがみられる。こうしたことは,分類を保障するものであり,機能や用途を推定する手がかりになるものと考えている。これらをふまえた上で,製粉具となりうる形態の絞り込みを行っている。時期的な分布について形態により,縄文時代のみ現れるもの,弥生時代に出現するものがあり,ある程度の編年が可能になっている。また形態によっては,地域性を示すものがあり,これらの,特徴の意味を現在検討している。結果については,次年度以降,論文等で発表する予定である。
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