研究概要 |
1.新企画調査の実施 今年度のまでの成果から得られた新たな課題を検討するために新しい調査を企画・実施した 1)秋田南部(雄勝町)・西部(若美町)・北部(田代町)調査 自由発話データ採取。名詞アクセント、助詞の母音によるアクセント実現の影響、アクセントによるFOレンジへの影響(ダウンステップ)、フォーカス条件下におけるFO実現などの項目、などの項目を調査。 2)福島県北部(国見町)調査 自由発話データ採取。名詞アクセント、助詞の母音によるアクセント実現の影響などの項目を調査。 2.研究成果の報告 以下の3つの分析結果の報告を行った。概要と共に記す。 1)いわゆる「平板型」の語のFO実現(the 15th ICPhS,Barcelona) 平板型に句の途中でのFO上昇がなく、「平板」ではなく「緩い下降」であることを定量的に示す。 2)アクセントによるFO頂点の時間制御(日本音声学会全国大会) FOの頂点の時間実現に「アクセントのあるモーラ内」「東京方言などにも見られる程度の遅れ」「1モーラ分程度の大きな遅れ」の3種類があることを定量的に示す。 3)秋田・西仙北町方言の名詞アクセント体系(国語学会秋季大会) 3・4モーラ名詞のアクセント型とFO実現の記述を基に、先行研究の記述間の相違と問題点を検討し、L^*+Hのアクセント核をもつn+1型の体系という解釈を提示する。
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