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2002 年度 実績報告書

現代日本の「異体字」の実態に関する調査研究

研究課題

研究課題/領域番号 14710299
研究機関独立行政法人国立国語研究所

研究代表者

笹原 宏之  独立行政法人 国立国語研究所, 研究開発部門, 主任研究員 (80269505)

キーワード漢字 / 異体字 / 字体 / 地名 / 新聞 / 略字 / 旧字 / 新字
研究概要

新聞については、全国紙で発行部数の上位1位と2位を占める『読売新聞』と『朝日新聞』を中心とする実際の紙面を対象として、そこで使われている異体字を探索した上で、各紙における用例として抽出した。また、それらを元に、新聞社間の字体の差異をリスト化した結果、表外字に関して、『読売新聞』では、3部首以外はおおむねいわゆる康煕字典体を用い、『朝日新聞』はいわゆる拡張新字体を使っているという特徴が顕著に現れたが、それぞれに新聞の面や執筆者、表記される語などによって例外があることが確認された。また、同じ全国紙とされる新聞でも、電子化資料と紙面とで字体が異なるケースを多数確認した。これらの内容に関しては、国立国語研究所主催の「ことば」フォーラムで発表したほか、『国立国語研究所プロジェクト選書』2において成果を広く公表する運びとなった。
また、地名資料については、各地の役所・役場の市民課などで利用されている日本加除出版刊行の『日本行政区画便覧』や国土地理院発行の「二万五千分一地形図」などのほか、各自治体で作成・管理している「公図」や肉筆の「土地台帳」を含めた各種の資料を用い、そこで使われている異体字を探索した。その上で、諸々の異体字を用例として抜き出し、作成媒体・作成者間の差異を確認した。それらを元に、各字の字体レベルの使用実態に関する種々の調査を実施し、日本列島の随所で地名を表記するために使われている漢字には、異体字が現在もなお数多く存在していることを確認し、その背景や歴史についても考察した。それらの成果は、下記の雑誌論文のほか、マスメディアでも公表した。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 笹原宏之: "コラム3「方言と地名」"新「ことば」シリーズ. 16号. 47 (2002)

  • [文献書誌] 笹原宏之: "地名を漢字で書くために-文献と地名に見る「がけ」の一字表記-"『日本語学』特集「文字・表記の現在と課題」. 12月号. 30-42 (2002)

  • [文献書誌] 笹原宏之: "文字を変化させる力"国文学研究. 139集. 53-63 (2003)

  • [文献書誌] 笹原宏之: "地名と漢字"朝倉漢字講座3 現代の漢字. (2003)

  • [文献書誌] 笹原宏之: "携帯メールにおける文字表記の特徴とその影響"社会言語科学. 5巻1号. 105-116 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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