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2002 年度 実績報告書

近世説話と曲亭馬琴の読本・合巻の研究

研究課題

研究課題/領域番号 14710303
研究機関東京学芸大学

研究代表者

湯浅 佳子  東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (00282781)

キーワード曲亭馬琴 / 読本 / 合巻 / 説話 / 伝承
研究概要

本研究は、曲亭馬琴の読本・合巻作品の典拠調査から作品論を目指すものである。今年度は馬琴の初期の読本作品に注目し、そこに描かれる物語世界ががどのような宗教的・道徳的性格を有するのかを考察した。特に当代一般的に信仰されてきたと思われる輪廻転生、因果応報・勧善懲悪といった仏教的な世界観や、あるいは儒教的な道徳観念のあり方について考えてみた。それにあたっては、作品に描かれる神仏の奇瑞譚や怪異譚の話型に注目し、その類話・同話を他の先行作品や仏書から探し出し、比較・分析のうえ、馬琴読本での話型の展開の様相を分析した。具体的には、「『三七全伝南柯夢』の楠譚」(東京学芸大学紀要第二部門、人文科学、第五十四集)において、読本『三七全伝南柯夢』(文化五年刊)に描かれる、登場人物が楠の神木を伐る、という話に注目し、それを巡る神罰のあり方を位置づけた。そうしたところ、『三七全伝南柯夢』以前の作品においては、神罰は邪神によるものとして神を否定する話と、神罰は人を善に導く善神の所為であるとする話と二通りに分けられ、そして『三七全伝南柯夢』の場合は後者の話型に属するものであることが明らかになった。また、「『松浦佐用姫石魂録』の忠義と情愛」(『新読本研究』第四集)では、読本『松浦佐用姫石魂録』(文化五年刊)においては、説経『しんとく丸』『まつら長者』等の伝承世界を背景としつつ、「忠義」が女人の夫や父に対する「情愛」に救済されるという主題を持っていることを指摘した。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 湯浅佳子: "『三七全伝南柯夢』の楠譚"東京学芸大学紀要. 54集. 301-309 (2003)

  • [文献書誌] 湯浅佳子: "『松浦佐用媛石魂録』の忠義と情愛"新読本研究. 4集. (2003)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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