1、崑山の笛の名手・高慰伯氏の演奏を録音し、指法の口述を録畫した。その成果等を参考にしつつ崑曲の音階について探究し、論文を發表した。楊蔭瀏以來ほとんどの研究者が從って來た雅樂俗樂二大音階説を否定し、笛の吹奏の便宜によるいい加減な音階が唐代から崑曲まで續いてゐることを明らかにした。 2、前年度までの録音の成果を參考にしつつ、曲韻についての論文を發表した。「中州全韻」の七聲體系を明らかにすることを主眼とした。 3、北曲傳承史研究の副産物として、曇陽子と牡丹亭についての論文を發表した。 4、長老俳優の演劇歴と自分の研究過程の概略とを纏め、臺灣の雑誌に發表した。 5、今後の研究のため、臺灣にて資料を蒐集した。
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