• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2004 年度 実績報告書

16・17世紀イギリスの蒐集分化の研究

研究課題

研究課題/領域番号 14710324
研究機関筑波大学

研究代表者

吉原 ゆかり  筑波大学, 大学院・人文社会科学研究科, 助教授 (70249621)

キーワード蒐集 / イギリス / 文化 / 16世紀 / 17世紀 / 芸術 / 文学 / 科学
研究概要

本年度は、昨年度に引き続き、16・17世紀イギリスのコレクターたちの業績および彼(女)たちが生きた激動の時代について、調査と資料収集を行った。今回とくに注目したのは、16・17世紀・18世紀における古代ローマ・ギリシア研究、古代イングランド研究、中国研究、アジア研究および自由主義思想(リベルタン思想)とのつながりである。このようなつながりから、蒐集文化の研究は、単に美術や古物蒐集といった高級文化の研究という側面のみならず、当時における歴史研究、政治思想などとも深い関係をもつものであることがあきらかになった。たとえば、ヨーロッパ・キリスト教文明全般の源流とみなされつつも16-18世紀においては、イスラム教帝国オスマン・トルコの支配下にあったギリシア・小アジア地域の研究は、当時における国際政治の実状と切り離しては考えることができない。また、放蕩と自堕落を礼賛する形式で、政治的自由思想が表現される傾向があり、政治的自由思想を有する人々が古代ギリシア・ローマの文物のコレクターであり、その時代における性的自由を礼賛することで、自らの生きる時代を諷刺したことなどから、蒐集文化と社会諷刺、さらにはポルノグラフィの誕生がきわめて密接な関係にあることが明らかになった。本助成は今年度で完結するが、将来にむけては、上記したような方面への展開・発展を目していく予定である。本助成研究の総括、および将来へむけての準備として、当該テーマに関心をもつ国内の代表的な研究者を筑波大学にまねき、16年11月、研究集会を行った。参加者は、荒木正純(筑波大学)、箭川 修(東北学院大学)、川田潤(福島大学)、川田理和子(山形保険医療大学)、南隆太(愛知教育大学)、大和高行(鹿児島大学)である。当日は、ジョン・イーヴリンを代表とする、17世紀のコレクターの動向などをめぐり、盛んな質疑応答が行われた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2005 2004

すべて 雑誌論文 (2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] シェイクスピア・おたく-邪道な-になる、いくつかの方法2005

    • 著者名/発表者名
      吉原ゆかり
    • 雑誌名

      比較文化研究 1巻1号(印刷中)

  • [雑誌論文] マクドナルドの意味論2004

    • 著者名/発表者名
      吉原ゆかり
    • 雑誌名

      言語 34巻2号

      ページ: 76-79

  • [図書] からだはどこにある?2004

    • 著者名/発表者名
      吉原ゆかり
    • 総ページ数
      244
    • 出版者
      彩流社

URL: 

公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi