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2003 年度 実績報告書

ヴィクトリア朝における家族パラダイムの変換の核としての従兄弟/従姉妹表象

研究課題

研究課題/領域番号 14710341
研究機関東京都立大学

研究代表者

永富 友海  東京都立大学, 人文学部, 助教授 (60305399)

キーワード私生児 / 相続 / 偽名 / 従兄妹間の結婚 / セクシュアリティの過剰 / 演技 / センセーショナリズム / 男性性
研究概要

今年度は、縦軸としての相続をめぐる法的規制と、横軸となる結婚に関する法的規制(とりわけ亡妻の姉妹もしくは亡夫の兄弟との結婚を禁じる法律、相続の規定に関する法律)をより精密に整理し直したうえで、当研究の核となる、センセーション・ノヴェリストを扱った章を、「従兄妹」をキーワードとして、完成させた。より具体的には
1.9月24日〜10月3日まで、ロンドンのブリティッシュ・ライブラリで、主に19世紀イングランドにおける相続関連の一次資料を収集した。
2.サセックス大学のLindsay Smith教授と、センセーション・ノヴェルにおける男性像の変遷について意見交換をおこなった。
3.M.E.BraddonのLady Audley's Secretを、従来のような家父長社会における女性の狂気という視点からではなく、Lady Audleyの狂気の物語のカウンタープロットとして、相続の放棄と従兄妹間の結婚の物語に着目する新たな視点から分析をおこなった。
4.Wilkie CollinsのThe Woman in White, Armadale, The Law and the Ladyの主に3作を、相続と結婚を軸として、identityの偽装、illegitimacyという視点から分析することにより、男女間の力関係の表象をめぐるCollinsのイデオロギーをあぶり出し、そのうえで、センセーショナリズムという要素の低いと見られるThe Moonsoneを再度検討し、実はCollinsにお馴染みのテーマをふんだんに隠し持つこのテクストの意外な、そして過度なセンセーショナル性を明らかにした。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 永富 友海: "センセーション・ノヴェルの格上げ"英語青年. 149巻2号. 96 (2003)

  • [文献書誌] 永富 友海: "汚れた愛"英語青年. 149巻4号. 234 (2003)

  • [文献書誌] 永富 友海: "過去の認識論"英語青年. 149巻6号. 362 (2003)

  • [文献書誌] 永富 友海: "歴史のAusten"英語青年. 149巻8号. 490 (2003)

  • [文献書誌] 永富 友海: "文学教育のなかのハーディ"英語青年. 149巻10号. 618 (2004)

  • [文献書誌] 永富 友海: "文学研究のアリバイ?"英語青年. 149巻12号. 745 (2004)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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