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2002 年度 実績報告書

メディアを用いたドイツ語前衛文学の系譜-日本との比較を視野に入れて-

研究課題

研究課題/領域番号 14710360
研究機関中央大学

研究代表者

縄田 雄二  中央大学, 文学部, 助教授 (20251382)

キーワードメディアと文学 / フォノグラフ / 日本語録音 / ヤンドル
研究概要

今年度はとりわけ、ウィーン学術アカデミー(Osterreichische Akademie der Wissenschaften)の一部門としての録音資料館(Phonogramm-Archiv)の好意で聴かせていただいた、一九〇一年および一九一三年の日本語録音についての研究が進展し、成果を発表することができた。遺されている日本語録音のなかでは、精神医学者・今村新吉による一九〇一年の録音は最初期のものであり、この存在を知らしめ、また論じた意義も小さくないと考えるが、本研究にとって重要だったのは、むしろ一九一三年の久保猪之吉による録音である。歌人にして九州大学医学部名誉教授(専門=耳鼻咽喉科)の猪之吉は、以前研究滞在した街、ウィーンをあらためて訪れた際、自作短歌を吹き込んだのだが、これは、本研究の題に掲げた「メディアを用いた前衛文学」にほかならない。私は、この録音の持つ意味を、(1)猪之吉がドイツ語圏の医学の影響下に考究していた耳鼻咽喉科学(2)ウィーンの録音資料館で用いていたフォノグラフというメディア(3)猪之吉の歌論 以上三者がいかなる関係を結んでいるかという考察に絡めつつ、分析し、その際、ドイツ語圏文学との比較も織り込んだ。このほか、オーストリアの前衛詩人、エルンスト・ヤンドル(Ernst Jandl)における、文学とメディアとの関係についての考察をまとめたが、これはテクノロジーメディアと文字とが結ぶ緊張関係がヤンドルの文学にいかにあらわれているかを論じたものである。さらに、本研究についての研究を全般的に進めた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 縄田雄二: "ウィーンに保存されていた一九〇一年の日本語録音"言語(大修館書店). 32巻3号. 76-81 (2003)

  • [文献書誌] 縄田雄二: "エルンスト・ヤンドルとメディア"ドイツ文化(中央大学ドイツ学会). 58号. 21-24 (2003)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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