研究概要 |
1 所蔵文献の転写、翻訳に関する確認作業 昨年度、ウダヤナ大学ロンタル図書館所蔵文献のうち,以下の4点の物語を選び、転写,翻訳作業を行った。今年度はこれらを実際の収蔵文書と照会し、転写が正確であるかを確認する作業を行った。また、翻訳に関して最終的な確認作業を行った。 ・I Bawang Teken I Kasuna「赤タマネギとにんにくの話」 ・I Belog「愚か者の話」 ・I Nyoman Jeter「ニョマンジュテールの話」 ・Satua Pan Ketumpit teken I Lutung「カトゥンピットおじさんと猿の話」 作業は,ウダヤナ大学教授,平成14-15年度東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所,外国人研究員I Gusti Made Sutjaja教授と共同で進めた。 上記の成果は,今年度中に東京外国語大学,アジア・アフリカ言語文化研究所から公刊予定である。(昨年度中の公刊予定を目指していたが、元のロンタル文書(貝葉文書)の所在の確認に予想以上の時間が必要であったため、作業が遅れている。) 2.近隣言語の表記についての調査 (1)バリ島近辺では、バリ島の西隣に位置するロンボク島でバリ文字を用いた文書が残されていることが知られている。今年度はさらに西に位置するスンバワ島において現地調査を行い、類似の文書が残されているかどうか調べる作業を行った。その結果、スンバワ島においては、バリ文字の文書は確認されなかったが、ブギス文字によるいくらかの書類が残されていることが判明した。 (2)また、国内での文献調査などにより、近隣のロンボク等におけるバリ語文書の様相を研究した。
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