研究概要 |
1.研究の遂行 今年度は、付加詞接続に関する曖昧文の処理傾向について、個人の言語バックグラウンドの関係ついて、学部学生の協力を得て、前年(H15)の成果を踏まえさらなるデータ収集を行った。前年度に行った調査では、英語学習歴の長いバイリンガル学生が、英語母語話者の処理傾向に近いふるまいを見せるかどうかということに焦点をおいたが、今回は、英語学習歴。運用能力が必ずしも高くない一般的大学生における処理傾向と、そこでの母語の処理傾向の干渉の有無を検討するため、本学学部学生および、比較のため国際基督教大学の学生の協力を得て、異なる言語バックグラウンド・英語運用能力を有する学生のグループを対象に、英語前置詞句の接続に関する曖昧性を有する文の理解調査とを行った。この結果、外国語である英語の処理においては様々な要素の影響が絡み合っていることを示唆するデータが得られ、さらなる検討を行う必要があることがわかった。 また、今年度からは、言語の理解に加え、産出のメカニズムにも焦点をあて、語順決定に影響を与える要素を探るべくsyntactic primingパラダイムでの実験を行っている。これらの成果の発表状況は以下のとおりである。 2.研究発表およびレビュー 6月には日本認知科学会・7月には米国にて開催されたJapanese Sentence Processing Workshop,1 11月には日本英語学会で口頭発表・講演を行い、国内外の研究者からのフィードバックを得、また今後の研究の参考となる情報交換を行った。
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