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2003 年度 実績報告書

日本語関係節構造における発話解釈コストに関する語用論的研究

研究課題

研究課題/領域番号 14710370
研究機関富山大学

研究代表者

加藤 重広  富山大学, 人文学部, 助教授 (40283048)

キーワード関係節構造 / 発話解釈 / 解釈のコスト / 連想照応 / 長期記憶 / 意味のトリガー / 短期記憶
研究概要

平成15年度は、前年度に引き続き、データの集積と理論面の精緻化を進めた。前者については、新聞雑誌あるいは文学作品等のテキストをソースとしてデータを収集している。これらのデータは、多くの場合,電子化されているテキストがそのまま利用できるので,入力の手間は要しなかったが,データの検索とタブ付けなど判断には相当な手間を要した。また,辞書の記述や用例も収集する必要があり,合わせてデータ化を行い,現在それを整理している段階にある。また,電子化されていないものについても,データ収集を続け,合わせて入力してデータ化している。以上の作業に,備品ほかデータや辞書ソフトウェアを措置した。当初は研究補助の要員を投入して行う予定だったデータ収集については,その前段階での進捗状況と予算状況に鑑み,今年度については見合わせ,その分を研究代表者の作業量を増やすことでデータの質的確保につとめた。これは,文の接続に関わる意味内容を十分に判断して収集できる要員を確保することが難しく,現状では研究代表者が再度データをチェックするなど非効率的な作業手順になりかねないことを考慮した結果である。
理論面の精緻化には、語用論の各理論の現状を調査し、我々の枠組みとの整合性を検討する作業を進めている。関連して,日本語の談話標識の研究や接続詞に関する研究についても認識を深めており,「解釈のコスト」の概念をより精緻化する方向に進めている。一方で,長期記憶と短期記憶という認知心理学の概念を語用論に取り入れる作業も進めているが,予想外に領域間の障壁が高いことから,今年度は言語学的な理論として十分に消化できるように,認知心理学におけるこれまでの成果などを吟味することに重点的に資源を投入してきた。このため,理論の精緻化のために,海外における認知意味論の知見を利用することは見合わせているが,現在の作業が一定の段階にまで進めば,次年度に理論の整合性を確認するために,米英における理論的研究の成果について認識を深め,資料を入手するための渡航を検討したい。必要な枠組みが利用できる状況になった時点で,連文と関係節に共通して作用する原理とそれぞれで個別に作用する原理を整合的に説明できるようになるものと見込んでいる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 加藤重広: "日本語修飾構造の語用論的研究"ひつじ書房. 556+xxvii (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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