研究経過 本年度は、3年計画の第1年目で、計画に基づき、(1)過去に出版された辞書の項目調査、(2)国内、および、ネパール現地における語彙・文法項目の聞き取り調査と文献の蒐集を行った。特に、現地調査では、助動詞の用法の調査、および、物語の解釈を通じた新たな表現の発掘と記録に力を入れた。 研究成果 今年度は、重点的に、助動詞、助詞、類別詞、形容詞について調査とまとめを行った。これらの成果の一部は、14年度夏に東京外大AA研で行われたネワール語の言語研修テキストの『ネワール語文法』に反映させた。また、夏の現地調査においては、特に、助動詞maleと使役に使われる助動詞biyeの調査を行う。その成果として、助動詞maleのこれまで記述されていなかった機能を発掘し、11月のネパール言語学会第23回大会においてThe meanings of the auxiliary verbs of maleという題で発表した。 今後の展望 過去の辞書項目の検討を通じ、最終年度に予定している辞書のデータベースを組みなおし、約3000語の語彙をデータベースに登録したが、現在、項目ごとのデータフィールドの構築を再検討中で、15年度の研究では、最終的な辞書フォーマットの決定と、それにあわせたデータベースの改良を考えている。また、ネワール語の使役に関して、15年度雑誌論文に投稿するため準備中である。
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