研究経過 本年度は研究機関最後の年ということで、主に成果の取りまとめを中心に、作業を行った。主にデータベースの改変とデータのチェックを行い、さらに、語彙集収録語数を増やすこと、および、語法の調査のために8月から9月にかけて1ヶ月間カトマンズ現地での聞き取り調査を行った。現地では、発話の録音と分析、ネワール語の小学校で使用されている読み物のテキストの語彙分析を行った。さらに、今年度は、予定になかったが、口語表現を場面別に集めCSV形式のデータベースにした。語彙集のデータベースは、今後の出版も念頭において、データベースソフトの形式からXML形式に変更した。これにより、多義的な語彙に対して自由に意味項目を例文や語法解説をグループ化してデータベース化することができ、本格的な辞書の体裁を整えることが可能になった。ただし、語の配列をデヴァナガリ順に並び替えるには、いったんCSVに変換しなおし、SSSというソートソフトで配列しなおし、その結果をPerlスクリプトでXMLに再度変換しなおすという手順が必要となるという煩雑さが問題として残っている。 研究成果 本年度は、類別詞に関する論文とネワール語を中心に否定的状況の成立という観点から他の言語と対照した論文が出版された。語彙データベースを現在のアクセスの形式からXMLを用いた形式に変更を行ったため、予定していたデータベースから語彙集を出力するのが研究終了までに間に合わなかったが、動詞の形態に関する論文と談話データを分析したものを報告書として取りまとめた。語彙集については、現在8530語あまりを収めており、17年度中に書籍の形で出版する予定である。
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