研究計画に従い、平成15年度もバーナード・リーチの足跡を追い、各地で資料収集や関係者へのインタビューを行った。8月24日から30日には鳥取民芸美術館、島根県立図書館での資料調査と、牛ノ戸焼、布志名焼、出西窯での聞き取り調査を行った。11月21日から24日には、兵庫県の丹波伝統工芸公園陶の郷や丹波古陶館にて丹波焼について調査する一方、リーチとゆかりの丹窓窯にて聞き取り調査を行った。12月16日から20日には大分県の小鹿田焼と福岡県の小石原焼を訪れ、小鹿田古陶館、淡窓図書館、小石原焼伝統産業会館、小石原工芸館等で調査を行った。この他にも、平成16年3月にリーチと親交のあった別宮美穂子氏からお話を伺うなどした。こうした調査と平行して、これまでに得た資料や情報の整理を本格化させ、カセットテープの書き起こしとビデオテープの編集の作業、及び各種資料の電子データ化を行った。 平成15年度は研究を発表する機会に恵まれた。4月には、企画協力を行った展覧会、「英国セント・アイヴスへ 東と西 海を越えた絆 バーナード・リーチと濱田庄司」展(益子陶芸美術館とアサヒビール大山崎山荘美術館)が開催された。7月には東京大学総合究博物館の「学位記」展に出品し、これまでの研究を一般向けに展示した。この他にも、7月13日にお茶の水女子大学で開催された「第5回国際日本学シンポジウム」や、7月26日に関東学院大学で開催された「第3回アーツ・アンド・クラフツ・セツルメント国際会議 横浜・大阪 2003」において研究発表を行った。 次年度も資料調査を継続するが、資料整理にはさらに力を入れたい。また、香港で開催される国際比較文学会にて、研究成果を発表する予定である。
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