今年度は、沖縄が日本復帰してから、30周年であった。幸いに、復帰30周年は、沖縄の返還とその後歩んできた道を考えて研究する機会を与えた。 本研究の実績(沖縄と日米関係に関する主な論文)は、別紙のとおりである。それ以外に、同テーマについて約15点の日英両語の論点やインタビューもある。 今年、研究発表と、調査という二つの柱で研究を進めた。 研究発表として、歴史的(50年代と60年代)の沖縄と日米関係についての研究発表をしてから、現在の安全保障関係やいわゆる沖縄問題も紹介した。特に、21世紀にむけて、沖縄政策の改善策を提示していた。 調査として、沖縄返還史、70年代と90年代の基地再編計画、復帰後の沖縄の社会と政治などを調べてきた。歴史的な背景や実際の政策、政治過程の理解は、現在の問題を理解するために欠かせないからである。ほぼ計画通りに実施してきたが、テーマ別(基地再編、知事選などの復帰後の政治)を徹底的に調べることによって、とりあえず区切りとなっていた冷戦終焉(1989年)後まで調査するようになった。 調査方法として、当時の関係者にインタビューをし、当時の資料および新聞記事などを閲覧してきた。沖縄、東京、米国などまでは数回にわたって資料収集を行った。 来年度に、以上の調査を踏まえて、70年代、80年代、そして90年代の復帰後の沖縄と日米関係を調べ続け、研究発表(復帰後の政治、復帰後の知事選など)を行う予定である。なお、出版する予定の本(7章前後構成)の下書きも開始した。
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