研究概要 |
本年度(第2年度)の研究実績は次の3点に集約される. 第1に,ガバナンス論を含むNPM理論関係など既存の研究成果,とくに自治体組織・意思決定に関する諸研究をサーベイした上でアンケート調査票に盛り込むべき質問事項の内容に検討を進め,調査対象となる自治体関係者等と検討を行った.なお,調査対象としては,申請者が当該自治体の諸政策にかかわっている度合いなどを考慮しながら,比較的人口規模の似通った自治体を選ぶ予定である(現時点では3自治体を想定). 第2に,上記のアンケート調査の試行として,特定の集団(全国の都道府県・市町村から派遣された職員約100名)を対象として,アンケートを実施した.現在,その結果を分析中である.結果を踏まえて,アンケート項目等の再調整を行い,また,アンケート対象についても,職層・職種等を勘案し,来年度本格実施する予定である. 第3に,NPMとガバナンスに関する論文を複数執筆し,公表した(一部,刊行準備中のものを含む).それらには,本研究を進める上で重要な背景となる,市町村合併や各種連携など広域化の動向を論じたもの,および,民間企業のコーポレート・ガバナンスの影響や欧米での新しいマネジメント・スタイルの導入などを踏まえたわが国における自治体組織の多様化に関する理論動向について,NPM理論がもたらす意義を確認しつつ,近年注目されているガバナンス論的視点から将来的な展望を理論的に整理したものを含む.
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