現在、東ティモールで行われている国際平和維持活動(United Nations Mission of Support in East Timor : UNMISET)について、昨年に引き続き研究をした。今年度も9月に現地調査に赴き、UNMISETに関する総合的な問題について調べた。安全保障面に関しては、以前に比べて改善されて入る。例えば民兵の反乱等はほとんど見られない。しかしUNMISETから東ティモールの軍隊や警察が未だに十分なトレーニングを受けておらずUNMISETの継続的な駐留は必要である。また東ティモールの司法制度も十分は機能を果たしているとはとてもいえない状況である。例えば、1999年9月に行われた独立反対派の一斉蜂起に関する裁判等は満足に行われていない。西ティモールにいる、東ティモール難民の数は、UNMISETおよびUNHCRによってかなり軽減された事は大いに評価できよう。しかし未だ約3万人に難民がおり、彼らは1999年の住民投票の祭に独立反対派に回り、よって独立賛成派からの復習を恐れているために帰還を希望していない。UNMISET及び東ティモール政府の更なる和解運動が必要になると思われる。このように調べた事は、The Academic Council on the United Nations System(AGUNS)およびBritish International Studies Association (BISA)という学会で、それぞれアメリカ合衆国のニューヨーク、及び英国のバーミンガムで論文発表として発表され、それぞれの論文はロンドン及びオクスフォードにある学術誌において出版された。また今回、貢献国を代表してアイルランド共和国におけるUNMISETへの貢献についても焦点を当て、実際に東ティモールにおいて、その活躍ぶりを調査した。これは単著の本となりロンドンの出版社Frank Cassで出版された。(この本は、科研費以外の研究による部分も含む。)
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