1993年以降の政党政治の変動が地方分権改革の政治過程にどのような影響を与えたのかを探る観点から、以前の改革過程に比して、政策結果・政策過程・アクター・リソースに関して変化が見られたか否かに焦点を絞って研究を進めてきた。これまでの研究準備において、自民党一党支配下の戦後期での中央一地方関係の変遷については自分なりの研究がほぼ終わっており、また今次の改革に関しても、地方分権推進委員会事務局や全国知事会などの予備的な調査は既に行いつつあった。従って、平成14年度では、加えて政治家などを中心にインタビュー調査を補足した。文献についても市販の先行研究・勧告などは入手済みであるため、審議会議事録などの記録等を主に精査した。 この年度における研究活動は、地方分権推進委員会の枠組みでの分権改革に様々な形で関わった政治家・有識者・地方政府関係者等のインタビュー調査と、審議会議事録・先行研究・新聞記事・勧告等の文献精査の主に二本立てとなった。従って、研究経費としては、データ記録・整理のためのノートブック・パソコン及びプリンタ、図書などの設備備品費・消耗品費、地方でのインタビューなど調査・研究を目的とした国内旅費、研究補助・資料提供・閲覧などのための謝金が主な支出となった。 インタビューとしては、村山富市元総理大臣を始め、五十嵐広三元官房長官の筆頭秘書であった叶俊寛氏など旧社会党関係者を中心に行った。加えて、神戸・京都・名古屋各市に出張し、現地の地方分権改革関連資料の精査等を行った。東京においても、研究補助を得て自治省や都道府県庁に関わるデータの収集整理を実施した。
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