本研究は、ドイツ連邦議会(下院)の議員候補者のリクルートメント、およびその後の昇進過程と政党の政治エリート養成機能の関連について分析することを目的としている。 本研究の成果の一部は、下記の論文で発表された。内容としては、2002年ドイツ連邦議会選挙の分析、ドイツ社民党の最近の動向、欧州における右翼勢力の台頭やイラク戦争をめぐる政党内外の議論の分析などである。 また2002年度日本選挙学会総会・研究会、2003年度同総会、研究会、2003年度日本政治学会総会・研究会では、本研究の一部を発表した。2002年度選挙学会では、本研究の中心となる昨今の政党理論(カルテル政党論など)の展開を、2003年度選挙学会では、2002年ドイツ総選挙の分析結果を、2003年度日本政治学会では、ヨーロッパ統合とドイツの政党の関係と、昨今の実情を中心に発表を行った。 さらに、公式の学会以外に、いくつかの研究会で、ドイツ連邦議会議員候補者リクルートメントやドイツ連邦議会の人事制度についての研究発表を行った。今後は、これらの諸部分をひとつにまとめ上げる作業に取りかかる予定である。 発表以外では、数回にわたり、渡独し、連邦議会議員秘書や政党関係者へのインタビュー、ドイツ図書館での資料収集を行うことができた。いずれも現地でしか入手できない一次資料であり、渡独の成果はあったと考える。
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