研究概要 |
賦課方式年金の財源として環境税を活用したときに,各世代の非環境効用および環境効用が改善するかについて,内生成長の枠組みで検討した.分析の結果,次のことが明らかになった. 1)環境税収を賦課方式年金の財源として活用したとき,若年世代の非環境効用は改善するが老年世代の非環境効用が低下する.このため,環境税導入によって環境は改善するものの,非環境効用はすべての世代について改善しないため,二重配当の達成は不可能である. 2)非環境効用と環境効用の総和を厚生判断の基準として採用したとき,成長を維持しながらすべての世代の厚生を改善することが可能となる. この研究結果を"Growth and welfare effects of environmental tax-based public pension reforms"というタイトルの論文にまとめ,一橋大学公共経済ワークショップおよび関西マクロ経済学研究会で報告した.
|