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2002 年度 実績報告書

労働需要ショックの恒久性・一時性の識別と雇用調整・人的資本への影響の計量経済分析

研究課題

研究課題/領域番号 14730020
研究機関上智大学

研究代表者

出島 敬久  上智大学, 経済学部, 助教授 (70286756)

キーワード雇用調整 / 労働移動 / 需要ショック / 恒久的ショック / 一時的ショック / 人的資本
研究概要

本研究は,日本の雇用調整が遅く,産業間労働移動が緩慢である原因を,当該産業に加わった労働需要ショックが恒久的か一時的かを時系列分析の手法で識別した上で,計量経済学的分析によって検証するものである。
研究手法は次の通りである。まず,当該産業が直面した労働需要ショックを,時系列モデルを用いて,恒久的部分と一時的部分に分解する。それら特性の異なるショックが,当該産業の雇用量の調整パターンに与える影響を時系列モデルで識別する。以上により,遅いといわれてきた日本の雇用調整がどの程度経済合理性なのか,検証する。
さらに,産業ごとの労働需要ショックのうち,マクロ・ショックとidiosyncratic shockとを識別することで,一定規模の労働需要ショックに対する産業特殊的人的資本の損失を推定する。これにより,労働移動に伴う人的資本損失を考慮した雇用調整の経済効率性を評価する。
本年度は,産業ごとの労働需要ショックを恒久的な部分と一時的な部分に分解する時系列モデルを推定するための雇用量の時系列データの入力と整理を行い,両部分の推定作業に着手した。
具体的には,総務省統計局,「労働力調査」(各月)および,厚生労働省,「毎月勤労統計調査」(各月)を用いて,産業中分類ごとの雇用量の長期時系列のデータセットを作成した。
次に,当該産業の需要ショックの持続性の指標(たとえばCochraneの指標)を試算した。その結果,こうした指標の各産業での広範なばらつきが示された。さらに,これら時系列に対し,確定的トレンドと確率的トレンドを考慮した時系列モデルの推定を行い,産業ごとの労働需要ショックを恒久的な部分と一時的な部分に分解する作業中である。
以上のように,本年度は,翌年度以降の推定に用いる時系列データの作成と整理,基本的な統計量の算出という,研究基盤を整備する作業を行った。そのため,このデータを用いた推定の成果は次年度以降に公表される予定である。

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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