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2004 年度 実績報告書

地震危険度が地価形成に与える影響

研究課題

研究課題/領域番号 14730023
研究機関筑波大学

研究代表者

山鹿 久木  筑波大学, 大学院・システム情報工学研究科, 講師 (50334032)

キーワード地震危険度 / ハザードマップ / ヘドニックアプローチ / リスク回避行動 / 資本化仮説
研究概要

本研究では自然災害として地震を取り上げ、地震災害リスクが地価や家賃といった不動産価格にどう反映されているのかを計測することで、家計や企業の危険回避行動を分析した。
地震災害リスクに関する情報が与えられた場合に危険回避的な家計や企業は、(1)地震災害リスクの高い地域での立地を回避し、(2)所与の地震災害リスクに対しては耐震性能の高い建造物を建築する。前者の危険回避行動は、地震災害リスクを伴う土地への需要が低下することから、当該リスクの大きさは地価低下の程度として表れる。後者については、与えられた立地のもとで耐震構造を伴う建造物への防災投資が行われ、当該住宅の家賃に反映される。そこで、東京都が公表している地震危険度データを用いて、(1)の意味での危険回避行動の検証を、また東京都の賃貸住宅の個票データを用いて、(2)の意味での危険回避行動を検証した。さらに、建物構造毎の築年数が家賃に与える影響等属性変数のより詳細なコントロールを行い、より詳細な実証結果を導いた。
本研究での実証研究を踏まえると、消費者が立地場所や建物構造の選択に関して危険回避的に行動していることが実証的に示されたことになる。消費者や企業の危険回避行動を前提とするならば、合理的な防災対策とは、危険回避行動に対して規律を与える市場メカニズムを整備することである。さらに、危険度が高い地域における耐震化投資のように収益的な投資機会があるにも拘わらず、耐震化投資があまり進んでいないという実態は、制度的な阻害要因が存在する可能性を示唆している。このため、リスク回避行動と誘引両立的な保険制度の整備、外部性の評価とそれに基づく消費者のリスク回避行動への補助や借地借家法等阻害要因の除去など、市場メカニズム前提としたきめの細かい制度設計が求められる。

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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