研究概要 |
アメリカ連邦政府諸機関および連邦議会の文書資料の整理・分析を通じて、1993年政府業績・結果法(Government Performance and Results Act of 1993,以下GPRAと略)の成立・執行過程とその基本的特徴を、パフォーマンス・ベースド予算をはじめとした連邦予算編成過程の改革に焦点を当てて分析し、その中間的成果を「現代アメリカ連邦政府における結果重視の行政管理と予算編成過程」和歌山大学経済学部『研究年報』第6号として刊行した。その後、ブッシュ政権成立以降のパフォーマンス・ベースド予算導入の改革動向について、各行政機関別の導入実態の調査も含め、行政管理予算局(Office of Management and Budget)、会計検査院(General Accounting Office)をはじめとした連邦諸機関へのヒアリング調査を実施した。これらの分析を通じて、GPRAの実践をはじめとした「結果重視の行政管理」のが実質化するためには、GPRAのフレームワークと既存の予算編成過程とのリンケージをはかることがその達成のマイルストーンとして位置づけられる課題であるにもかかわらず、その実現こそが最も遅れた分野となっていること、ブッシュ政権において新たに改革課題として位置づけられている問題が、これらGPRAと予算編成過程とのリンケージであることが明らかとなった。次年度は、これらの基礎的作業を前提として、より具体的に各連邦政府諸機関ごとのパフォーマンス・ベースド予算の導入実態とその特徴を明らかにすることが課題となる。
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