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2003 年度 実績報告書

消費者行動論からの小売業の値引き最適化手法の研究

研究課題

研究課題/領域番号 14730082
研究機関大阪大学

研究代表者

里村 卓也  大阪大学, 大学院・経済学研究科, 助教授 (40324743)

キーワード価格決定 / 値引き / 最適化 / 消費者価格概念 / 需要予測 / 留保価格
研究概要

本研究は蓄積されたデータを用いて、消費者行動論から小売業者が値引きを実施するタイミングと値引き幅を決定するための手法を開発するものである。
本年度は平成14年度の結果を受け、消費者の価格変化に対する反応をいろいろな側面から分析することを継続した。まずは顧客の価格感度やブランド選好が時間とともに変化するのかということを消費者の購買履歴データをもとに分析した。提案された分析手法はブランドのポジショニングと個人別購買機会別の選好ベクトルを推定するものである。このような推定を行う場合には、推定すべきパラメータに対して十分なサンプル数を確保できないという問題が従来からあったが、ベイズ統計学の方法を本研究に応用することにより、必要な推定が可能となった。分析結果からは、1年間という期間においても消費者のブランドに対する選好は時間とともに変化するが、価格変化に対する反応は変化しないという知見が得られた。
さらに、いくつかの討議より小売店舗の視点からは、単一商品の利潤最大化よりも、カテゴリー全体での利潤最大化のほうが重要であることが明らかとなり、カテゴリー利潤最大化の視点も加えることとした。このときも、消費者行動論の立場より、消費者による需要の異質性に着目する必要もあることから、消費者異質性を考慮したカテゴリー内需要のモデル化についても取り組み始めた。また、小売店舗での販売は価格プロモーションだけでなく、非価格プロモーションによっても変化することが知られているが、実際に得られるデータから非価格プロモーションに関する情報がない場合が多い。このようなデータに対しても価格プロモーション効果のみを得るために、売り上げデータから非価格プロモーション実施の有無を推定する手法を開発し、その有用性が確認された。
これらの結果をふまえて、前年度に引き続き小売店舗での価格設定問題について検討を進めた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Satomura, T.: "A Model to Analyze the Spatial Distribution of Customer Purchase Behavior"Proceedings of the INFORMS Annual Meeting 2003. 197 (2003)

  • [文献書誌] 里村卓也: "カテゴリー視点からのブランドの評価"オペレーションズ・リサーチ. 48-10. 735-740 (2003)

  • [文献書誌] 里村卓也, 森雅夫: "個店別POSデータからのアイテム別プロモーション活動の推定"大阪大学経済学. 53-3. 167-179 (2003)

  • [文献書誌] 里村卓也: "マッピングを利用した市場反応の動的分析"マーケティング・サイエンス. 12-1・2(印刷中). (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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