企業は競争の激しい市場で勝ち残るために、80年代前半以降従来型の長期安定的なライフサイクルをもつ標準品の大量見込生産システムから顧客へのサービス需要を満たす多品種・少量受注生産システムに移行してきた。一方で、商品のライフサイクル自身も著しく短期化されている。このような傾向の急速な進展に伴い、ライフサイクルの短い製品の供給問題(single-period problem or newsboy problem)はますます重要な研究課題となってきた。 本研究は、この背景の下で、ライフサイクルの短い製品の最適販売戦略に重点を置いて研究を行い、以下のことを明らかにした。 (1)専門家から得られた可能性度合いデータを用いて、ラフ集合の概念を考量した新たな上界と下界可能性分布の同定方法を提案した。複数の専門家からの知識の差異を分析し、可能性融合モデルを提案した。 以上の研究成果European Journal of Operational ResearchとRough Set Theory and Granular computing (Edited Book)で発表された。 (2)顧客の潜在的な購入意識の曖昧さに起因する需要の不確実性を可能性分布で表し、この可能性情報を用いて、新たな意思決定モデルを提案した。これにより、ライフサイクルの短い商品の最適発注量を決めることができた。 以上の研究成果は国際会議International Conference on Knowledge-Based Intelligent Information and Engineering Systemsとthe IEEE International Conference on Fuzzy Systemsで発表された。
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