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2002 年度 実績報告書

エクイティ・ストラテジーと企業の長期パフォーマンスに関する理論的・実証的研究

研究課題

研究課題/領域番号 14730101
研究機関神戸大学

研究代表者

砂川 伸幸  神戸大学, 経営学研究科, 助教授 (90273755)

キーワードマーケットの非効率性 / 長期的な株価パフォーマンス / ブートストラップ法 / 公募増資 / 転換社債 / 自社株買い
研究概要

本年度(平成14年度)前半は,主として,企業のエクイティ・ストラテジーに関する文献研究,株価と企業業績の長期パフォーマンスの実証方法に関する文献研究,ならびに行動ファイナンス論に関する文献研究を行った.本年度後半は,文献研究をまとめ,理論的な研究を開始した。年間を通じて,多くの方々から指導・助言を頂戴し意見交換も行った。
文献研究からは,アメリカの株式市場において,企業の代表的なエクイティ・ストラテジーである公募増資や転換社債の発行と自社株買いが,長期的な株価に有意なインパクトを与えることが確認できた.公募増資や転換社債の発行がアナウンスされた後3年から5年の長期にかけて株価は下落し続け,逆に自社株買いがアナウンスされた後3年から5年にかけて株価は上昇し続ける.株価の長期パフォーマンス測定については,従来短期パフォーマンスの測定で用いられてきた方法ではいくつかの問題点(とくに分布の歪み)があるため,ブートストラップ法を用いる.文献研究を通じて,これらの点が明らかになった.
理論的な研究は開始したばかりであるが,行動ファイナンスの考え方に立脚し,非効率なマーケットに直面する企業のエクイティ・ストラテジーについて分析を行った.非効率的なマーケットでは,企業の株価が過小評価,あるいは過大評価されている可能性がある.長期的な株価を最大化するため企業は,株価が過大評価されている時期に公募増資を行い,過小評価されている時期に自社株を買うインセンティブをもつ.企業がタイミングよくこれらのストラテジーを実行する結果,文献研究で確認した株価の長期的動向を説明できることが示せた.また,企業のエクイティ・ストラテジーとして興味深い転換社債と債務の株式化について,その経済合理性と株価に与えるインパクトをモデル分析した.これらの研究成果は,後述する雑誌論に掲載された.

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 砂川伸幸, 山崎尚志: "マ-ケットの非効率性と企業の投資・財務戦略"国民経済雑誌. 186巻・3号. 65-77 (2002)

  • [文献書誌] Nobuyuki Isagawa: "Managerial Opportunism and Capital Structure Adjustement : Equity-for-Debt Swap and Convertible Debt"International Review of Finance. 3(掲載予定). (2003)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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