研究概要 |
マーケットの大規模な環境変化に対応するために,マーケティング担当者には,潜在顧客の行動を市場のデータから読みとり,その中から組織の利益につながるヒジネス活動をおこなうためのルールを見つけだすことが求められるようになっている。しかしながら,個人や組織といったマーケットを構成する行為主体は,かれらが依拠する,あるいは,かれらが位置している複数のコンテクストの中に位置しており,こうした環境の中で,企業が採用すべきルールを導出するためには,データの大量のアソシエーションのパターン検証が必要になる。こうした課題に対応するために,今回の研究では,企業のマーケティング活動に影響を有するコンテンツの抽出,ならびに,そのプロセスで生じるデータの加工に必要な共通知識の体系的蓄積をおこなう。研究計画に則って,平成14年度は,マーケットのデータを抽出するための準備作業をおこなった。具体的には,マーケットの行為主体に影響を与えることが予測されるインディケータを選択し,サーベイ調査のための質問票の作成をおこなった。あわせて,データ収集のための調査対象企業をサンプリングし,そのデータベースの作成をおこなった。今後は,サーベイ調査をとおして収集されるマーケットのデータの中から,消費者行動や企業活動を規定する価値の組合せを解明することをとおして,企業のマーケティング活動にとって意味のある組合せを導きだすマーケットの行為主体の行動モデルの作成をおこなっていく。
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