中国消費者の消費行動に示されている変化パタンを体系的に捉らえ、消費モデルと消費者行動データ・ベースを構築することは中国のマーケティング・サイエンスを正確に研究するために欠かせない作業であると考えられている。本研究はマーケティング・サイエンスの視点から出発し、学際研究のみならずビジネス実務の面においても信頼性の高い、体系化された中国市場に関するデータ・ベースを構築することを目的とする。本研究が完成されるとともに、草創期である中国のマーケティング研究に最初の信憑性のあるデータ・ベースとなることが期待される。 16年度の研究は、以下の通りに実施された。 上半期4月から9月にわたって、前年度において現地調査で収集されたアンケート調査表、インタビューの結果など整理し、分析する。その結果を精緻化していく一方、正確かっ深みのあるデータ・ベースの材料としてストック作業を行なう。そして、整理分析の過程において現れた新たな示唆や改善事項などを追及し、下半期以降の研究段階で活かしていく次第である。 下半期の10月から17年3月において、現地調査を中心とする研究を進める。上半期の研究結果に基づき、その示唆を反映させる研究をしていく。そして、実地調査は上海を中心とする、主にビール業界に軸足をおいている。12月に上海で業界インタビュー、消費者インタビュー、そして現地での研究資料の収集を行い、ある程度の結果が得られた。そして、今年度終わりと来年度の上半期にわたって、今までに積み上げてきたデータと資料を分析し、研究結果をまとめることを試みる。
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