中国消費者の消費行動に示されている変化パタンを体系的に捉え、消費モデルと消費者行動データ・ベースを構築することは中国のマーケティング・サイエンスを正確に研究するために欠かせない作業であると考えられている。本研究はマーケティング・サイエンスの視点から出発し、学際研究のみならずビジネス実務の面においても信頼性の高い、体系化された中国市場に関するデータ・ベースを構築することを目的とする。本研究が完成されるとともに、草創期である中国のマーケティング研究に最初の信憑性のたるデータベースとなることが期待される。 平成17年度の研究は、以下の通りに実施された。 (1)中国の伝統的な消費品市場特にパッケージング商品市場における消費者行動のデータベースを構築するために現地で調査し、データ収集を行っている。現地の小売企業にてアンケート調査と消費者インタビュー調査等の消費者行動研究調査を行った。 (2)上記プロジェクトのためにこれまで収集してきた資料の一部を整理し分析し終えた。研究成果として発表するにあたって、各分野の有識者のご意見を取り入れてより精緻化された結論を心構え、修正作業を行っている。整理分析の際に浙江大学工商管理学院の在学大学院生(マーケティング専攻と統計学専攻)に協力してもらっている。同プロジェクトに関する成果は来年部分的に公表する予定である。平成19年に全部の成果を公表できる予定である。 (3)来年以降の研究方向を確立するために、中国インターネットサービス市場に関する調査の可能性を探索する目的で、中国ネットオークション市場について端緒的に研究を始めた。中国で上述パッケージン市場に関するアンケート調査に基づき、インターネット市場に関する消費者傾向をはじめ、消費者行動の関連性を探る。
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