研究概要 |
1.対数的小平次元が負となるQ-ホモロジー平面上のアフィン直線に関して以下のような成果を得た。まず、対数的小平次元が負のQ-ホモロジー平面で、補集合の対数的小平次元が0以上となるアフィン直線を含むものを完全に分類し,更にそのような曲面とアフィン直線の対の構成方法を具体的に与えることに成功した。この結果の系として、Makar-Limanov不変量が自明になるQ-ホモロジー平面上には、補集合の対数的小平次元が0以上となるアフィン直線が存在しないという結果を得ることができた。更に、Q-ホモロジー平面上のアフィン直線の補集合の対数的小平次元が0以上になることと、その補集合の対数的2種数が正になることが同値であることを示した。 2.有理曲面上の可約曲線の双有理幾何的分類について研究を行い、以下のような成果を得た。まず、対数的小平次元が1以下で2個の有理曲線からなる可約曲線の双有理的分類を行い、飯高茂氏の結果を更に精密化した。それから、4個以下の既約成分からなる可約曲線の対数的小平次元が0以上になることとその対数的6種数が正になることが同値であることを示した。特に、既約成分が2個の場合に、対数的小平次元が0以上であることと対数的2種数が正であることが同値であるという飯高茂氏の結果の簡単な別証明を与えることができた。 3.平成14年度の研究成果を用いて、対数的小平次元と対数的幾何種数が0で、対数的2種数が正となる対数的アフィン代数曲面で極小的なものを全て分類した。今後は、本研究の成果を踏まえ、対数的小平次元と対数的2種数が0の開代数曲面の構造について研究することを検討している。
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