Gauss曲率一定のBonnet曲面は平坦である。Bonnet曲面は調和逆平均曲率曲面と共に平均曲率一定曲面の自然な一般化であるが、調和逆平均曲率曲面は主曲率の比を保ちながら第一基本形式を共形的に変形できる。主曲率の比が一定のisothermicな調和逆平均曲率曲面は平坦Bonnet曲面となる事が分かるが、これは上の事実の双対版ともいえる。平均曲率一定曲面を記述するGauss-Codazzi方程式がsinh-Gordon方程式となる事に注目すると、これは可積分な非線形波動方程式の一種と見なせる。このような方程式は平均曲率一定曲面、Gauss曲率一定曲面、アファイン球面を記述するものとなるが、残り2つの曲面もBonnet曲面、調和逆平均曲率曲面と同様に一般化できる。まずGauss曲率一定曲面の一般化であるが、これはBianchi曲面とよばれる曲面で、主曲率の比を保ちながら第二基本形式を共形的に変形できる曲面である。漸近線座標により径数付けられた曲面に対してはisothermicな曲面に対塔する概念として一般化されたChebyshev網をもつ曲面とよばれるものが定義できるが、主曲率の比が一定の一般化されたChebyshev網により径数付けられるBianchi曲面は常螺旋面となる事が分かった。次にアファイン球面の一般化であるが、これは一般化されたアファイン球面とよばれる曲面で、中心アファイン計量を保ちながら変形できる曲面である。一般化されたアファイン球面についても上と同様の事を考察した。
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