研究概要 |
Wongによる小立方体を用いたFreudenthalの懸垂写像のホモトピー・ファイバーの組合せ論的モデルは、著者による2002年の論文により、球面の多重ループ空間のホモロジーの研究に有効であることが示された。その研究を推し進めるため、Wongの構成をWeissの高次懸垂写像の塔に一般化する必要がある。 ところがWongの構成は、そのままでは第2段階以上には適用できないことが分かり、以下のように修正した構成を考えた: まず自然数n,jと実ベクトル空間Vに対し小立方体の空間とSteinerのoperadの両方の性質を持つ空間H(n,V;j)を定義し、基点付き空間にXに対しЦ^∞_<j=1>H(n,V;j)×X^jから、順序の入れ替えを同一視し基点をとりのぞくという同値関係によって商空間を構成しH_X(n,V)と定義した。 この構成に対し、まず、path-loop fibrationと弱同値なquasifibration 【numerical formula】 が存在することを示した。そこでH^<[1]>_X(V)をH_<ΣX>(V)→H_<ΣX>(R【symmetry】V)によるこのquasifibrationのpull-backとすると、H^<[1]>_<ΣX>(V)はWeissの塔の第1段階と弱同値になりWongの構成の修正版を与える。この構成を帰納的に繰り返すことにより、Weissの塔全体の組み合せ論的モデルが構成される。 この結果は、2002年6月の島根大学の国際会議及び9月の岡山大学での研究集会で発表した。
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